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2011年06月18日

五月病と呼んで良いのか

5月18日の夕方、突然、味馬鹿次男から電話があった。兄たるモエ長男にだった。
 
最初に出たのは小生だったのだが、何やら声が沈んでいる。次男はもともと声質がかなり低く、しかもだみ声気味なので、気のせいかと思ったのだが、電話を替わったモエの様子が次第に切迫して来る。
「よく連絡してくれた」だの、「いざとなったらバックれて帰って来い」だの、「いつだ?」だの、あまりに気になる科白が続く。
嫌な予感がするが、ともあれ次男が今のところ元気なのは確かなので、長男が電話を切るのをじりじりしながらも待つ。
GWの帰省時、味馬鹿が言っていた会社の現状が、脳裏をよぎった。
かなりの量の受注をこなしている状況なのだが、社長の息子(常務)の工程管理が無茶苦茶で、どの作業班もオーバーワークになっているというのだ。客先との工程打ち合わせなどでの交渉力が不足していて、調整し切れていないのだと、小生は解釈していた。
それに、若手の教育に手が回っていない風情が、次男の「先輩達」の話から感じられたのも、事実だ。後輩いじりの加減が判っていない人間が多いのでなければ、やっと1年目を終えたばかりの1つ上でしかない味馬鹿次男に、新人達がウヨウヨ寄って来るというのが、納得出来なかったからだ。
電話を切ったモエの第一声。「会社の寮で新人が自殺したって」
味馬鹿から聞いている限りでも、新人の五月病を後押ししてしまいかねない要素は、片手で数え切れないくらい、あった。5年の年期の内、最初の3年を乗り切れるかどうかがキイファクターになると踏んでいたのが、最悪の形で現実になったのだ。
起床後、朝の打ち合わせの召集までの、数分間の隙に、寮室で首を吊ったらしいとのこと。
新人達に寄り付かれていた立場の、味馬鹿のショックも相当なもののはずで、モエが言った「いつバックレて帰って来てもいいぞ」「ヤバくなったら精神科の医者に行け」も、正解だ。俗に云う「空気が読める」人間である味馬鹿は、共感力も高いため、共感型PTSDのリスクを抱えているのである。だいたい、まともな神経ならこういった事件に遭遇すれば、普通にPTSDのリスクを負うのだ。

まだ発生して2週間程度だった時は、心理的にバタバタで、本格的に落ち込む時期ではなかっただろうが、それでも黙って夏まで様子見している場合ではない。休みを取って岐阜に行くべきかどうかは疑問だったが、電話くらいはしてみてもいいだろう。(親父というのは、こういう時、つらい立場だ)

……そんなこんなで、1箇月が経ち、次男とは2度程電話で話したが、今月15日、味馬鹿の方から電話があった。
この1箇月、会社全体が、この会社始まって以来の、この事件を強いて忘れようとしているとのこと。死んだ子の葬儀に会社として何かをしたという形跡も無く、希望した者が参列しただけだというのだ。
そこに、次男は強烈な違和感を持ったのである。
「辞めようと思う」
奴は言う。
止める理由が、思い着かなかった。

23日、取った理由は別だったのだが、休暇を取った。
22日の夜に夜行バスに乗れば、23日の早朝に名古屋駅前に着ける。それとも、26日日曜の早朝に着く方が良いか。
味馬鹿の、今の仕事に対する意欲次第だろう。たとえ辞めるにしても。
とにかく、顔を見ながら、もう一度話を聞いてやりたい。

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Posted by 壇那院 at 10:29│Comments(4)雑感
この記事へのコメント
びっくりしています。
同じ寮で、同じような年頃の同僚が自殺なんて、ショックは
少ないはずがありません。
葬儀に関する件で、気になるのはやはり会社側の対応でしょね。
今後も身を預ける本人や家族としては、そこのところの対応や
新たな方針は重要だと思います。
自殺した子、本人のことや会社、仕事の関わり、因果関係がはっきり
しませんので、何ともコメントできませんが、次男くんとお話
することは、必要だと感じます。
社会に出ると辛いことは多いですが、この件は本当に気の毒に思います。
悪い影響が残らないといいですが。
Posted by manbow at 2011年06月18日 14:29
まんぼうさん

実際、ここまで異常な事態になると、父親としても下手に厳しいことは言えません。
とにかく、会社の方針が改まった兆候が、次男に感じられなかった以上、たとえ真意がどこにあれ、会社の人心掌握としては失敗しています。
一社会人としても、人生の先輩としても、今後の奴の仕事人生がかなり厳しいものになるのは覚悟の上で、好きにさせるしかありません。
昨日、21日に帰宅するとメールがありました。最終決定ではないようですが、上司に辞意は伝えた様です。
家族としてのハナシはそれからですね。
Posted by 壇那院 at 2011年06月20日 00:44
6/16のエントリを見て何事が起こったのかと
思っていたのですが、これはひどいですね。

宮大工という特殊な世界を選んで飛び込んできてくれた
せっかくの若い芽を、伸ばすどころか潰してしまうとは‥
経営者失格ですな。

会社として反省する気もなさそうですから、次男くんから
三行半を突きつけるのもアリだと思います。

あとはこの1年の経験を生かせる職場があればいいんですが‥ね。
帰宅したら、じっくり話を聞いてあげてください。
Posted by ももっち at 2011年06月20日 12:21
ももっちさん

>経営者失格……
 …かどうかはまだ判断はしないでおこうと思いますが、とにかく、昔ながらの職人の「組」の感覚はどこかに行ってしまっている様だ、とは感じています。

まぁ、とにかく総ては、奴が帰って来てから、ですよ。
半月くらいはゆっくり休養させてやる必要があるかも知れませんね。
Posted by 壇那院 at 2011年06月20日 23:10
 
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五月病と呼んで良いのか
    コメント(4)