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2009年06月19日

お久し振りです

もう5年以上前の事なのだが、5月のある日、仕事中の小生の携帯に、1本のメールが入った。
 
『モエ、腕折った』

え? あの馬鹿……。
時刻からして、下校中に事故に遭って病院に担ぎ込まれてから家に連絡が入るという、最も考えられるパターンなのなら、時間差としてはこのタイミングだと考えて良さそうだ。

返信:『どこの病院だ?』

『○○病院』

返信:『了解。俺が帰った頃には帰って来てるか?』

「腕折った」というだけのメッセージで、「入院した」とはカミさんは書いていない。どうやらギプスで固定するだけの処置で帰宅できる程度の怪我だと推測出来た。
帰宅してみると、モエ長男は右の前腕に添木を付けて包帯でぐるぐる巻きにしていたのである。

これが、長男が高校1年を2度やる事になった遠因であった。
傑作だったのが、後に聞いたモエ長男の事故直後の第一声である。
ガチャンという音を聞きつけて駆け付けた近所のご婦人が、小生も小学校のPTAで見知っている人で、小・中学校時代のモエの同級生の母上だったのだ。モエが小学校低学年の頃は、たまにモエが遊びに行っていた家のお母さんであり、近所の野菜直売所の店長でもあった。
自転車と軽ワゴンの、低速とは云え正面衝突である。路上に投げ出されたへしゃげた自転車、同じく路上で大の字の、制服姿の高校生。良く見れば、その15、6と見える男の子は子供の頃から知っている息子の元同級生である。
彼女の驚きは想像に余りある。
慌てて声を掛けた彼女に、しかし軽く朦朧としていただろうモエ長男は、破天荒な返答をしたのであった。

「あ、お久し振りです」

後で本人(その元同級生のお母さん)に聞いたところでは、その後に 「今日はいい天気ですね」 と続きそうな、悠揚迫らざる口調であったそうな。
さらに、後にモエの方にも聞いたところでは、あの場でどう挨拶したものか判らなかったので、こう言ったのだそうだが、大した野郎だと云うべきか、トボケた野郎だと云うべきか……。

それでもこ奴、やはり利き手の右手が1箇月も使えなくなったのは、生活全般から勉強に至るまで大いに影響し、10箇月後、落第が決定したのであった。

事故の加害者は、市役所の作業車であったが、まさか長男の落第までは知らせなかった。そこまで市が責任を負うべきものでもなかろう。
全く波風立たずに過ごせる人生など、あり得ないのだから。


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Posted by 壇那院 at 19:40│Comments(2)思い出
この記事へのコメント
そうだったのかー。

風が吹いて先まで送ってくれる日も
あるって~♪
Posted by ぴこどん at 2009年06月27日 13:31
ぴこどん
そうだったンだよ~~。

まぁ、風が吹いて欲しいねぇ。
出来ればこの親父にも吹いて欲しい。
Posted by 壇那院 at 2009年06月28日 22:14
 
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お久し振りです
    コメント(2)